アクションカメラやGoPro を耳にしたことはあっても、実際どのようなカメラなのか知らない人は多い。
もしあなたが「アクションカメラ=GoPro ?」と思っているなら、この記事を読めばアクションカメラについてより深く理解できるはずだ。
アクションカメラのメーカー勢力図や、iPhoneなどの携帯カメラと比べて何が違うのかなど、今更聞けないアクションカメラの世界をまとめてみた。
目次
アクションカメラとは?
アクションカメラとは、ビデオや写真が撮れる小型デジタルビデオカメラである。アクションカム、ウェアラブルカメラとも呼ばれている。
元々はアウトドア愛好家が自分の活動を記録に残したいという思いから商品化したものだ。その特徴ゆえ、サーフィン、スノーボード、スキー、自転車などのスポーツに加え、バイク、登山、パラセーリングやダイビングなど数々のアウトドアシーンでの撮影に用いられている。
アウトドアに興味がないという方でも、おそらくアクションカメラで撮影した動画を目にしたことがあるはずだ。例えば、バラエティ番組で芸人さんがヘルメットにカメラをつけてバンジージャンプをする動画を見たことがあるだろうか。ヘルメットについているカメラは基本的にアクションカメラを使って撮影されている。
さらに最近では、その手軽さから旅行にアクションカメラを持っていく人も増えている。
アクションカメラの特徴①小型で軽量
アクションカメラの代表的機種であるGoProと、Airpods pro、iPhoneを比べてみた。
ご覧のように、Airpods proより一回り大きいくらいのサイズ感である。iPhone12シリーズの中でもっとも小さいminiと比べてもGoProの小ささが際立っている。
最近のアクションカメラのフラッグシップモデルは4K動画が撮影できるようになっている。画質で言えば一眼レフカメラには及ばないものの善戦しており、家族で楽しんだり、YOUTUBEなどに投稿する動画であれば問題のない画質で撮影ができる。一眼レフカメラを使っている方は同意されると思うが、綺麗な写真や動画のために重たい機材やレンズを持って歩くのは一苦労だ。プロカメラマンでもない限り、もっと気楽に撮影したいと思ったことはないだろうか。
そう、軽さこそ正義だと思う瞬間がある。
その点、アクションカメラは平均120-150グラムと非常に軽量。機種によっては30グラムを切るデバイスもある。
小型かつ軽量なアクションカメラはスポーツやアウトドアシーン、Vlogや旅行先で価値を発揮する。自分のパフォーマンスを落とさずにスポーツシーンが撮影できたり、旅行先でポケットに忍ばせておいて撮りたい時にサッと撮影、なんてことが簡単にできるのだ。
さらに小型かつ軽量という特徴はアイデアを無限に広げてくれる。
例えば、鳥がどんな目線で飛んでいるか想像したことはおありだろうか。その答えがこの動画だ。ペリカンのクチバシにアクションカメラを取り付けることでペリカンが飛んでいる時の様子を撮影している。
他にも、ペットの犬の背中にアクションカメラを取り付けて犬目線の散歩の様子を撮影したり、子供のヘルメットに取り付けて一緒にサイクリングしたり、本来見えることのない世界をアクションカメラを通して見ることができるのだ。
アクションカメラの特徴②防水・耐久性に優れている
アウトドアシーンで使われることを想定しているため、基本的に防水、防塵機能が備わっている機種が多い。これまで一眼レフカメラでは撮影が難しかった、激しいアクティビティや、水中動画が簡単に撮れてしまう。
つまり、こんな映像が撮影できる。ギリシャ旅行のVlogだが、海に飛び込んだり、海中で泳ぐシーンが撮影できるのはアクションカメラならではだろう。
家族や友人と海に泳ぎに行った時に、波打ち際や水中の様子を撮影してみるとなかなか面白い動画が撮れる。新しい思い出の残し方としては非常に面白い。
耐久性にも優れているので、屋外で使う時もカメラが壊れるのを心配することなくガンガン撮影できるのもポイントだ。
アクションカメラの特徴③臨場感のある動画が撮れる
まるで自分が実際にそこにいるかのような体験ができる。
例えばこちらの動画を見てほしい。
まるで自分が自転車をこいでいるかのような錯覚に陥る。怖くて肩がすくむほどだ。
このような動画はアクションカメラならでは。思い出として残すにしても、家族や友人に見せるにしても、手持ちカメラで撮ったのとは全く異なる映像が撮れる。
私もよく家族や友人に自分の撮った映像を見せるが、みんな食いつくように見てくれる。単に写真を見せるよりも場が盛り上がるし、実際に興味を持ってくれて、次は一緒に行ってみたい、という友人もいた。
つまり映像としての価値以外にも、臨場感のある映像が撮れる→体験したような気持ちになる→自分もやってみたいという好循環が生まれやすいと感じる。
アクションカメラ VS 一眼レフカメラ VS スマートフォン
アクションカメラは他のカメラとどこが違うのだろう。
画質で言えば、アクションカメラは一眼レフカメラに及ばない。本格的に映像や写真を撮りたいという方は一眼レフカメラやデジタルビデオカメラが必要だ。
ただし一眼レフカメラはどうしても”撮ってる”感が出てしまう。旅行に行って、観光名所を回るとしよう。レストランで美味しい料理が出てきた時に大きな一眼レフカメラを取り出して撮影できるのは一握りのユーザーだけだろう。自然な表情を撮りたい時にはアクションカメラやスマートフォンが有利だ。
アクションカメラはマウントがたくさん準備されており、帽子につけたり、バックパックにひっかけたり、首からぶら下げることができる。街歩き動画や、旅行先でのVlogなどにはおあつらえむきだ。
アクションカメラの敵はやはりスマートフォンだろう。いつでも気軽に撮影できるのはやはりスマートフォンだ。GoProもスマートフォンとの競争に頭を悩ませているようである。
しかし激しいアクティビティに適しているのはやはりアクションカメラだと感じる。例えばみんなで海に泳ぎに行ったとして、どれだけの人が最新のiPhoneを持って海に入ろうと思うだろうか。防水と分かっていてもやはりリスクを気にしてしまう。また登山をしながら片手にずっと最新のAndroid携帯を持っていられるだろうか。
その点アクションカメラであれば、気兼ねなくアクティビティを撮影できる。スマートフォンでは撮ることが難しい写真や動画がアクションカメラなら簡単に撮れるのだ。
さらにもう一つ。インスタ映えを狙うならアクションカメラはかなりのアドバンテージとなる。例えばこんな写真。
アクションカメラであればこんな写真も撮ることができる。Instagramで”バズりやすい”写真や動画が簡単に撮れるのだ。
アクションカメラ界勢力図
「アクションカメラ=GoPro 」と多くの人が認識しているが、あながち間違いではない。実際にアクションカメラのシェアのほとんどはGoProが握っている。
アクションカメラ市場のメーカー別勢力図をユーザー目線でまとめるとこうなる。
まず絶対的王者として君臨しているのがGoPro。アクションカメラというジャンルを確立させた功績は大きい。
アクションカメラは何台も購入するものではないので、とりあえずGoPro一台買っとけば間違いないだろうというユーザーが多い。確かに品質で言えばGoProの右に出るものはいないので購入する際の第一候補に上がるだろう。
が、GoProは高い。アクセサリなども購入すると5-7万円ほどする。一般ユーザーにとって気軽に買えるような価格ではない。
そのGoPro一強時代に穴を開けたのが、DJIとInsta360だ。GoProは高すぎると感じていたり、あのゴツっとした見た目はちょっと、という層から支持を集めている。カメラとしての品質も素晴らしい。
さらに近年、中華圏を拠点とする低価格アクションカメラメーカーが台頭している。AKASO、Closstour、SJCAM 、MUSON、apemanなどだ。その中でもAKASOのアクションカメラが頭一つ抜けている感がある。
低価格というだけあって、5,000円台から購入できるデバイスも発売されている。品質についても安かろう悪かろうではない。この価格でここまで撮れるならいいじゃん!という気にさせてくれる。もしあなたが映像制作のプロではなく、遊びで撮ってみたいと思われるなら非常に”あり”な選択である。低価格アクションカメラのジャンルには上にあげた以外にも数多くの良メーカーが参入しており、今後のアクションカメラ界の行方を左右するキープレイヤーとなりそうだ。
個人的に期待しているのがSONYとCANONである。SONYは2016年に4Kアクションカメラを発売して以降、アクションカメラとしてのジャンルで新機種を発売していない。ただしよく似た用途で使えるカメラは発売しており、ユーザーによっては候補に入ってくるだろう。CANONはアクションカメラの新機種を発表すると言っているが、今のところ様子見状態である。SONYとCANONが新たなアクションカメラを作るとすれば、ユーザーは選択肢が広がるだろう。
アクションカメラで何が撮れるのか
アクションカメラでどんな映像が撮れるのか、実際にご覧いただこう。
この動画はGoProが発表した2020年ベスト動画だ。
こんなにアクティビティなことしないよ、という方も普段の生活のVlog用としてのアクションカメラという選択はありだと思う。
例えばこんな感じ。
バイクに乗っている方であれば、アクションカメラを使ったモトブログに挑戦してみるのも楽しいだろう。
アクションカメラはタイムラプスやハイパーラプスも簡単に撮れる。
アクションカメラで撮れる写真
小型で防水性に優れたアクションカメラならアイデア次第で非常に面白い写真を撮ることができる。
例えば、アクションカメラをワイングラスに入れてワインを注ぐと、
こんな一味違った味わいがある写真を撮れる。
さらに、アクションカメラを持ってプールに飛び込むと、
こうなる。
防水なので、シャワーの下で持って撮影すると、こうなる。
こうした写真は思い出をさらに特別なものにする。
さらに詳しくは、JakeRichの動画で確認して欲しい。
アクションカメラで新たな世界を
動画ブームに押され、今後アクションカメラ市場は発展が見込まれている。ユーザー側の選択肢はさらに多くなるだろう。より良いカメラがより安く手に入るようになれば願ったりだ。
素敵な思い出を、みんなと共有し、体験してもらう方法としてアクションカメラは非常に面白いガジェットである。